カナダのCBC&Radio-Canada DistributionとドイツのBeta Film社が全世界に共同配給しているアニメ「仮面ハンター、アモス」の冒険の舞台となっているのは、ケベック州のカナダ人作家ブリアン・ペローが2003年から発表している「アモス・ダラゴン」小説シリーズで描いたファンタジーの世界である。「アモス・ダラゴン」は24カ国語に翻訳されており、全世界で約300万部の売り上げを達成している。
「仮面を持つ者」となった主人公アモスは、ゴルゴン、変幻自在な戦士、ドラゴン、そして漆黒の肌を持つ妖術師と共にクエストを始める。6歳~10歳の子供を対象としたこの作品は多様性の共存、男女平等や紛争解決などの問題に触れている。
質素な家庭の出身で、父親と母親をも失った孤児であるアモスは、民話にありがちなシンプルな主人公だ。
このシリーズでは、アモスは真っすぐとした瞳、ピュアな心、そして非常に優れた能力を持った14歳の少年である。鉄の意志を持っており、明晰さが最大の強味だ。弱点は、経験不足であることと、必要な時に十分に集中できず、敵に対する感情を調整することが難しく、そのためパワー仮面の力を最大限に発揮できないことである。
アモスの優れた資質を見抜いた 白い貴婦人は、アモスを「仮面を持つ者」とし、世界の平衡を守る使命を与えたのであった。
小説で経験した冒険と、そして白い貴婦人との出会いがこのアニメでのクエスト開始時のアモスを築いたのであった。彼が持つ4つの仮面は風、火、水、土の4要素のいずれかにつながっている。アモスはこの4要素の魔法の力を手に入れた上で、今度は「半仮面」を集め始める。
孤児の少女ロリアは遥か南の民族の元王女でもある。
アニメシリーズでのロリアは13歳のティーンエイジャー。
アモスとクエストに出発するために王女の座を妹に譲ったロリアは、固定観念を覆すような強い女子キャラであると同時に、心が広く献身的な冒険者である。
彼女は魔術の様々な分野で最善を尽くし、ドゴン族から入手した小骨を利用し未来を占う。また、ロリアは夢やその隠れた意味に敏感で、他の次元で生きている霊魂や超自然的な生き物たちからのメッセージを受け取ることが出来る。彼女は時としてシャーマンの力を使ったり、ドルイド教の儀式も行ったりする。さらに、魔法薬の作り方も習得しており、錬金術とアイオルの神秘、バールの短剣についても研究している。
アモス達の中で、べオルフは最も戦闘に適している。このシリーズでは15歳の青年でアモスの親友だ。
彼は「ベオリット」(北のメタモルフ族※) 、つまり熊人間である。アモスより若干年上で、力持ちで親切である上、前向きな性格をしている。将来、彼は生まれ育った村の村長になることが決まっている。ブロマンソン一族の最後の一員として、祖先と同じく熊に変身する能力を持っている。しかし変身をうまくコントロール出来ず、恐怖を感じている時、憤慨している時…またはとても空腹の時など、窮地に陥ると熊になってしまう。巨大な体格にもかかわらずべオルフは非常に俊敏で、友人や自分の命が危ない時は恐るべき闘士となる。
(※メタモルフ:動物に姿を変えることが出来る人間。)
メドゥーサはアモス達の中で一番謎めいた存在。なぜならゴルゴンだからだ。このシリーズでは15歳の少女である。
メドゥーサは虫を食べる。筋骨型で毛髪は蛇。ゴルゴン独特のギョロ目で、人を見つめただけで石に変える力を持っている。それにより、他人を自分の視線から守るために特殊な眼鏡をかけている。彼女の肌は緑色で、足は網目状。腕にはモモンガが持つような皮膚があるため、素早く泳いだり空をひらひら飛ぶことが出来る。水のなかを泳ぐ姿は、さながらオリンピック選手のように見える。地上では強い足で高いジャンプをし、遠くまで飛べる。
卵から生まれた彼女は親を知らない。他人に姿を見られることが苦手なメデゥーサはこのシリーズで一番内向的なキャラクターではあるが、アモスの使命に一生懸命に力をかす。
作家、語り部、コメディアン、演劇の舞台監督として活動するブリアン・ペローは2003年に子供向けの小説シリーズ「アモス・ダラゴン」の最初の巻をカナダ、ケベック州で出版する。この作品は170万部の売り上げでケベック州でのベストセラーに入った。作品は24カ国語に翻訳されており、27カ国で出版されている。ブリアン・ペローは世界中で一番読まれているカナダ人作家のひとりである。2015年にフランコフォニー国際機関から、プレイアデ機関のシュバリエ勲章を授与された。
また、ブリアン・ペローは中国で翻訳されている数少ないケベック州出身の作家のひとりである。
強烈なパワーを持つ伝説のアーティファクト、平衡の半仮面は遭難者を呪いにかけ、世の中の調和に乱れを生む。賢者評議会は要素に繋がっている仮面を持つ者、アモス・ダラゴンに、半仮面を取り戻し世界の平衡をもとに戻す使命を与える。
師匠のサルティガンから修行を受けたアモスは早速、不思議なゴルゴンのメドゥーサ、元気いっぱいの妖術師ロリア、ベオリット族出身の動物人間ベオルフ、ドラゴンの子マエルストローム、そしてそそっかしい3羽の伝書鳩と共に、巨大な力にあふれる遺物を取り返しに行く。
しかし、暗黒太陽と呼ばれる恐るべきエルフの魔術師が、裏切りと嫉妬の神であるセトから同じ使命を受けていた。セトの目的は集められた半仮面を元に、時間を操るパワーを持つクロノスの仮面を作り、世界を支配することである。